ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

今こそ考えよう、国会議員に世襲議員が多いのは何故か?

 ネットで検索すると、国会議員の世襲率はほぼ4人に1人である。自民党に限るとそれが3人に1人まではねあがり、内閣や与党自民党の幹事長などの役職を構成する国会議員になると2人に1人になるといわれる。今日第100代岸田文雄内閣総理大臣のもとで拾い出しても総理大臣自身がそうであり、財務大臣鈴木俊一、ほか野田聖子や堀内詔子や西銘恒三郎岸信夫などの大臣や甘利明幹事長などもそうである。

 

 現在の国会議員は、衆議院が465名、参議院が244名、合計709名だから、ざっと170~180名の世襲議員が存在する。そして自民党には約130名の世襲議員が所属していることになる。世襲議員が増えるのは地盤、看板、かばん(利権)を引き継ぐことができるので、当選しやすいためとみられる。しかし、いったん国会議員の地位を手に入れると、身内にその利権を引き継がせる誘惑にかられるようだ。

 

 2001年の自民党小泉純一郎から安倍晋三福田康夫麻生太郎世襲議員が総理大臣に就任し、民主党政権下でも鳩山由紀夫世襲議員として総理大臣になり、菅直人野田佳彦を経て、自民党安倍晋三が再度総理大臣になる。その後継者、菅義偉はたたき上げであったが、1年で退陣を余儀なくされて、今回の岸田文雄がまたもや世襲議員として総理大臣となる。この20年あまりの間、日本の政権担当者が世襲議員であったのは。実に17年に及ぶ期間となる。

 

 いまだに献金疑惑は後を絶たないし、献金パーティはあちらことらで開催されている。政治にはお金がかかるといわれるが、票をお金で手に入れることはできないはずである。となれば、政党助成金頼みかもしれないが、令和2年度で自民党が172億6000万円(国会議員398名)、立憲民主党が42億9000万円(同105名)、国民民主党が46億4000万円(同65名)、公明党が30億3000万円(同57名)、日本維新の会が18億5000万円(同27名)などとなっている。国会議員一人当たりにすると、何千万円というお金になる。(もっとも、国民一人150円を拠出した形で総額が決まっている)

 

 国会議員の年間所得は、月129万4000円の歳費と3.4か月分の期末手当で2000万円余りある(もっともコロナ禍ということで毎月の歳費は2割減が継続されているとのこと)、それ以外に文書通信交通費と立法事務費がそれぞれ毎月100万円と65万円支給されている。

 

 政治活動を行い、地元民の陳情に応えたり、天下国家の将来設計を行うための活動を行おうとしたら、これでも不足かもしれないが、世襲させたくなるようなポジションなのだろう。下種の勘繰りということになるかもしれないが、国会議員はおいしい仕事なのであろう。実利においても、名誉や対面においてもそう思われているからこそ、そのような流れになるのは仕方がないかもしれない。しかし難点は、そういう世襲議員ばかりになると、下々の生活の様子を理解し、国民がどんな問題を抱えているのか、どんな政策がそれらの課題解決に必要なのか、国民の声を吸い上げて、生活実態をより豊かな方向にかじ取りをするような考えを持つ者がいなくなってしまう。世情をくみ上げることして、政治は行えない。まさに世襲議員が増えていることが、民主主義の危機をもたらしているといっても過言ではないだろう。

 

 衆議院総選挙の前に、今の経済状況を、社会保障制度の状況を、家計の痛みを、少しだけでも考えてみて、候補者や政党の主張を吟味してもらえれば、少しだけかもしれないが日本の未来に燭光が点るのではなかろうか。