ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

ウクライナ危機、そして台湾

 ウクライナが緊迫の状況を迎えている。ロシアにとって、原油高が続いているからこそ、自分たちの正義を声高に叫べる時を迎えているようである。エネルギー資源の高騰は欧米からより有利な条件を引き出せるチャンスであるようだ。米国やNATO加盟国による経済制裁が行われようとも、エネルギー資源を握るロシアにとって、少々の経済的締め付けには対抗しうるのである。

 

 親ロシア派が自称している「ドネツク民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認したロシアのプーチン大統領は、経済制裁にしか踏み切れない西側諸国をあざわらうかのように、親ロシア派の人々の平和維持という名目で事実上ロシア軍が駐留しているウクライナドネツク州とルガンスク州への軍隊増派を予告した。これは侵攻ではない、あくまで緊張が高まっている親ロシア派住民の安全を守るための措置であるという名目である。米国のバイデン大統領は、さすがに事実上の軍事侵攻であるといいつつ、軍事衝突はあくまで避けたいという意識から、経済制裁で対応すると思われる。

 

 しかし、遠く離れた日本の報道は、どこか牧歌的でさえある。現在起きているウクライナ危機は、国際政治の考えからすると、どう考えてもロシアのウクライナ侵略である。クリミア侵攻の際も、欧米は何もできなかった。今回も紛争の停戦や若いプロセスを定めた2015年の「ミンスク合意」をロシアが一方的に破棄した形になった。そしてどこまでも熱い戦争を避けるための努力を続けざるを得ない状況が続く。

 

 かつて第二次世界大戦は、ナチス・ドイツやイタリアが各地で自らの軍事力を駆使して侵攻していったのと同様の事態が起こりつつあると考えても不思議ではない。国際社会の安定を願って、力で押し切ろうとする国を外交で対処する。そのような英知を発揮してもらいたいものである。粘り強く、外交交渉を重ねていく手腕が米国のバイデン大統領や英国のジョンソン首相、そしてフランスのマクロン大統領やドイツのショルツ首相に期待されている。

 

 問題はウクライナだけではない、東南アジアでも中国の軍事力増強が弱まらない。ロシアだけでなく中国も、国際的な発言力を増しつつあり、しかも国際ルールを順守しているとはとても言えないような振る舞いが目立つ。新疆ウイグル地区の人権問題はあくまで中国国内の問題であり、内政干渉は拒否する頑なな姿勢を崩してはいない。香港の民主派弾圧に対する欧米の非難も聞く耳を持たずという価値観のずれが目立つ。国際社会の円滑な関係を築くような雰囲気があまり感じられない。お互いに相手に対する不信感を募らせているのが、現状ではなかろうか。そういう意味では、戦争ぜにゃであるといっても過言ではないのではなかろうか。杞憂であることを祈るばかりである。