プーチンの誤算
経済制裁に対しては、中国の支援が期待できる。暖房エネルギーの天然ガス・原油はEUはロシア頼みではないか。決してそんな単純な発想で、ウクライナ侵攻を仕掛けたわけではないだろうが、軍事力で完全にウクライナを圧倒できる目算があったのであろう。一気にウクライナ全土を支配下に置き、傀儡政権を立てて、西側諸国に感じていた脅威を払しょくする。それがロシアの政治的な安定につながるはずだ。
キエフ公国がロシアの原点であるという強い思いがあったのかもしれない。しかしウクライナの主権を無視して軍事力で支配しようという発想は前時代的でしかない。ロシア国民がこれからどのような行動を起こすのかわからないが、プーチンの政権はこれで先行きが見えたかもしれない。核兵器という物騒なものを握っているのは気にかかるところだが、軍事力を振り上げて、「自らの正義」を主張する行為は、今後正当化されることがないと信じたい。ロシア国民の賢明な行動を期待するばかりである。