ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

寒くなりました

 雨にたたられた一週間。急速に気候が冬に向かっているようだ。すっかり日常生活の中に定着したマスクが、季節的にもますます違和感なく受け入れられている。新型コロナの感染者数が激減したものの、冬の到来を前に、気持ちを緩めてしまえば、第6波の襲来を招く恐れはありそうである。しかし、経口薬も承認される気配だし、3回目のワクチン摂取の準備も進んでいる。

 10月下旬の総選挙による騒々しい時期を過ごし、岸田文雄首相がその総選挙の結果を受けて、自公政権に支持を得たという自信をつけたような面構えで、「新しい資本主義」による政策を語っている。その一方で、安倍晋三元首相は、細田派を衣替えした安倍派の会長に就任し、まだまだ現役であることを強調して、自民党内に影響力を行使しようと躍起になっている姿が滑稽である。世論がうるさくなってくると雲隠れ、何ら説明責任を果たさない。そのくせ横柄な態度がいまだに目に付く。

 

 野党・立憲民主党の枝野代表は、その逆で、総選挙の結果が思わしくなかったことから、党内の批判的な意見を躱しきれず、退陣を余儀なくされた。今月末には新しい党首を選ぶための選挙が行われる運びとなった。4年前の孫選挙では、時代の風雲児であった枝野代表だったが、政治家は国民の支持を得られなくなると寂しいものである。

 

 対して維新の会、ほぼ関西限定であるが、自民党に対する批判票を集めた。大阪では完勝である。自民党に代わる政権の受け皿として認知されたようである。来年の参議院選挙、そして次の衆議院選挙で更なる党勢拡大ができれば、一躍政権を担える政党になるかもしれない。しかるに国民は、移り気である。歳費削減といった身を切る政策が目立つ程度で、まだ自民党を押しのける力はない。

 

 野党にとっては、民主党政権がいまだに大きな汚点として国民に記憶されているのがつらい。自民党に代わって政権を担当させるわけにはいかない。自民党政権もひどいものであるが、それでも現状はまだましであるはずだという、きわめて消極的な支持理由から自民党が支持されたというのが、今回の衆議院総選挙の総括であろう。これは日本にとって不幸な状況である。政治不信を残したままに、資本主義以後の時代の社会を設計していくことになるのである。

 

 残念ながら、このままセーフティネットが綻びていくならば、21世紀後半の日本がどのような社会になるのかあまり明るい予測はできない。どんどん限られていく利権の争奪戦が行われる中で、国民はそのとばっちりを受けて、努力が報われない時代を迎えるようになるかもしれない。他人への慈悲を忘れてしまって、利己主義が社会にはびこり、経済格差が拡大し続けるであろう。貧困層ばかりが増えていくなかで、国力は衰え、犯罪が増えていくことが予想される。希望は消失し、刹那主義が闊歩する中で、社会はますます活力を失っていく。

 

 悲観主義的な予想ばかりが先にでてしまうが、経済の活性化を図るなら、まずは需要増大を目指すには、消費の拡大を仕掛けるしかない。そのためには家計の可処分所得を増やすことである。おカネをばらまくだけでなく、時代の人材を育てなければならない。生活不安を解消する手立てを講じなければならない。そしてそれが完全に機能して、毎日の生活に笑顔が戻ってくる生活を保障する政治が待たれているのではなかろうか。日々の暮らしに、夢が持てる政策が必要なのである。