ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

喪中のはがき

 年末になると、そんなに多くはないのだけれども喪中のはがきが届くようになる。今年は、これまでと少し違う傾向に戸惑いを覚える。というのも、同級生やさほど年齢の違わない友人、知人の訃報が増えているのである。これまでは知人の親の世代が多かったのだが、今年は同世代が増えてしまい、しかもコロナ禍で命を落とした人も判明し、途端に恐怖心を感じた。

 

 恐怖を感じたといえば、和歌山市の紀ノ川にかかる水道橋の崩落も、将来の不安を掻き立てた。たかが水道管が崩壊して、断水しただけではないかと思っておられる人も多いが、いまや水道は公共インフラでも重要な位置づけにある。水道、電気、ガス、道路など、いったん不都合を起こせば、復旧するまでの間、不便をかこつことになる。水道は、飲料水として料理に欠かせないし、お風呂や洗濯にも使う。トイレにも必要だ。日常生活を支える大動脈である。

 

 その水道に不可欠な水道管の改修が進んでいない。全国72万キロメートルのうち、約13万キロメートルが耐用年数を超えているという。つまり早急に新しいものに交換しなければならないのだが、人口減少などで水道事業の悪化からなかなか改修が進んでいない。大阪市では水道管の総延長5200キロのうち法定耐用年数を超えた割合が2021年3月末で51%に達した。しかし事業収益が減り、職員数も4割減って、更新できる水道管は年間60~70キロで計画ははかどっていない。全国の多くの自治体が、同様の状態であるという。

 

 また道路も、改修がなかなか進まない。建設後50年を経過した橋梁は2021年3月末で全体の32%、トンネルは23%もあるという。2012年の中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故を受け、5年に1度の定期点検が義務付けられているが、それによると、橋で2万3800か所、トンネルで1100か所が緊急または早急に修繕が必要とされている。

 

 新規の公共事業ばかりが目立つが、既存のインフラの改修も実施されないと、どのような事態が起こるかわからないし、また一時的にせよさまざまな不便を強いられることになる。このことを忘れて、政治は語れないのではなかろうか。経済の活性化という意味においても、考慮していかなければならない問題である。