ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

排除の論理

菅義偉首相には、気にかかる発言がある。それは「政権の決めた政策の方向性に反対する幹部は移動してもらう」という発言である。それでなくても官僚の人事権を掌握して、意にそわない人間を閑職に飛ばしてきた実績を官房長官として積んできたわけである。マスコミ関係者でも、相性の悪い人間には愛想が振る負けなかったし、邪険にしてきたと報道されている過去がある。

 

 都合の悪い質問は無視をする、そんな慣例が残っていくようになれば、権力者はますます裸の王様と化してしまう。耳に心地よい言葉ばかりを吹き込まれれば、確かに悪い気はしないだろうが、それは独善的で視野を狭くすることにしかつながらない。一国の政策を左右する政策を決定する責任者が、政策を決定する判断材料を事前に取捨選択してしまうと、よりベターな政策など出てくるはずがない。

 

 反対意見もしっかり聞き、政策を決定する材料としていく。そういう気持ちで意見を取り入れていかないと、阿諛追従ばかりの取り巻きばかりを周辺に集めてしまうことになる。自分にとって都合の良い忖度された意見が上がってくるようでは、とうてい国民にとって大事な政策を決定することなどできはしない。

 

 権力者が自らの権力の行使を、独善的に正義だと言い張り(思い込んで)、世論を軽視したり、憲法で定められた手続きを無視するようになれば、立憲政治は崩壊せざるを得ない。国民の意識から乖離して、国民のための政治などできはしないのである。国民のための国民自身による政治、それはひとえに権力者自身の自重と謙虚な精神が必要であるはずだ。異論反論を甘んじて受け入れる柔軟性が、余裕としてほしいものである。民主主義の手続きを忘れて、国民の政治不信を招いた安倍晋三内閣の体質だけは継承しないでもらいたい。

 

 安倍晋三内閣を賞賛する声もあるが、私自身の私見ではとうてい経済政策でも外交面でも及第点はつけられない。逆に日本の経済をアベノミクスは弱体化させただけではないかと考えているし、最悪なのは最高権力者が国民の政治不信を拡大させたことである。投票率の低下がなによりも如実にそのことを物語っているのだと考える。いかがなものであろうか。