ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

菅義偉首相退陣を表明、3度目の亡霊出現は勘弁してほしい

菅首相は、9月3日に自民党総裁選に出馬しないことを表明した。このため、今月末に決まる自民党新総裁が次の総理大臣に選ばれることになる。これまで総裁選出馬を公言していた菅首相が突然出馬を取りやめたことに関しては様々な推測ができる。総裁選前の衆議院解散という奥の手を封じられ、それならばと党役員人事刷新を試みようとしたが、総裁選の結果が出るまで人事は先送りが順当だから、いくら打診されても現時点での人事を受け入れる人材は残念ながらいなかった。起死回生の衆議院の解散権も、ウルトラC級の奇策であった人事権の運用も不可能になったが故の退陣声明となった。

 

 こうなるとすでに出馬を表明している岸田文男氏をはじめ、菅首相不出馬の事態になり、名前が取りざたされることになった河野太郎氏や石破茂氏による争いになりそうであるが、ここにきて安倍晋三前首相の名前も出てきた。「桜を見る会」問題や森友学園加計学園問題の疑惑を晴らさぬままに、また河合案里元参議院議員に対する1億5千万円もの選挙資金に対する問題などの説明責任を果たさぬままにあわただしく退陣して1年。いわゆるコロナ感染者対策を放り出した張本人にもかかわらず、またぞろ権力の頂点への回帰を考えているような印象を受けるのは私だけであろうか。麻生太郎副総裁や、二階幹事長など自民党長老の実力者の影響力がいまだに衰えていないことを考えれば、まんざらあり得ない話でもないところが気にかかるところである。

 

 安倍晋三前首相の復活の話は多分眉唾で終わる可能性が大であろうが、長らく続いた説明責任を果たさない自民党を刷新するためにも、そして本気で日本の将来を考える自民党再生を目指すなら河野太郎氏や石破茂氏、岸田文男氏の争いになるのが、自民党議員諸君にとっても10月に予定されている衆議院選挙が戦いやすい展開になるはずである。自民党議員にとっては、正念場である。2年続けて無責任な政権放棄である。諸外国に対しても、信頼を失いかねない事態である。つまらない派閥抗争に終わるのではなく、新時代の先駆けを印象付けるような希望の光を見出してもらいたいものである。

 

 それはともかく、菅義偉首相を標的にした衆議院選挙を考えていた野党もまた悩ましいところであろう。自民党新総裁が誰に決まるかで戦い方も変わってくる可能性がある。しかしだからこそ立ち位置は、しっかり決めて衆議院選挙に突入すべきであろう。一つは、安倍政権から続く疑惑まみれのさまざまな問題にしっかりと説明責任を果たす政権担当者を据えること、コロナ対策に関しても国民が納得いく対策を実行できる内閣を求めること。そして生産者である企業を守るよりは、消費者である国民を大切にする政策を実行すること。これらを中心に選挙戦で訴えていくことを願うばかりである。