ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

生理的不快感

新幹線の運転士が、腹痛のために走行中に運転席を離れたことが話題になっている。自動運転でもあるまいし、今頃その運転手はどのような処分も甘んじて受ける、まるでまな板の上の鯉の気分であろう。勤務中しかも沢山の乗客を乗せた乗り物を運転中とあっては、その職務を忠実に遂行する義務を放棄するような行動であるから論外である。

 

とはいえ、その運転士のその時の切羽詰まった心境は、非常に理解できる。生理的な不快感が高まってくれば、正常な判断力は失われる。非常事態における判断力の低下を擁護する気はないが、少なくとも可能な限り事故などを引き起こすことはないだろうという判断のもとに最小限度の時間運転席を離れることを決断したのであろう。大事故に至らなかったとはいえ、その行為の正当性は検証されなければならないだろう。そして責任を負うことは求められるであろう。

 

参議院選挙広島選挙区の女性新人候補に支給された選挙資金1億5千万円が、自民党本部のだれの指示によって行われたものか不可思議な現象が生じている。二階幹事長は明確に否定したし、甘利選挙対策委員長も知らないと明言した。当時の自民党総裁安倍晋三氏はまだこの問いに応えてはいない。この問題は、自民党本部が選挙違反に関与した資金を提供した可能性も出てくるだけに、新たな火種になるかもしれない。

 

聞くところによると、アメリカのバイデン大統領は新たに国民一人当たり1400ドルの給付金配布を含む1.9兆ドルの新型コロナ対策予算、そしてAIやEVといった次世代技術への投資および公共インフラ整備への投資として2兆ドル、さらには教育の無償化や子育て支援に10年間で1.8兆ドルを支出する予算案を組んだ。議会がすべて承認するかどうかは別だが、さすがは大国アメリカである。目先のコロナ対策だけではなく、将来の米国経済の進展の基礎となるインフラや次世代技術に対する投資もしっかり手当てしたうえに、これからの経済格差拡大傾向を少しでも縮小させることを明確に目指すようである。

 

しかも、その財源は国債だけに依存せず、富裕層の所得税増税法人税増税あるいはGAFAなどのネット関連企業の海外課税を想定するなど、極めて実現のハードルは高いものの、実際は現実的な政策を遂行しようとしている。日本の政治家に、このような芸当ができる人材はいるであろうか。信念をもって、国民のための政治を行おうとしている政治家がでてきてほしいものである。

 

愛知県知事のリコール署名で大量の不正署名が発覚したが、この事件は民主主義の土台を大きく揺さぶるできごとであり、何ともいえない居心地の悪さのようなものを感じる。国会審議の拙速さ、丁寧な説明責任を果していない国民軽視の政府与党、日本の民主主義はどんどん劣化しているような実がしてならない。