ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

排除の論理

 菅義偉首相は、日本学術会議が推薦した6名の任命を拒否した理由を明らかにしていない。政府に楯突いたが故の任命拒否という、あからさまな理由をあげつらうことが難しいのであろう。国家公務員の任命権はあるから、人事権に口をはさむなという論が出ているが、これも国民の疑問には答えていない。

 

 国民が一番に知りたいのは、国の政策方針に楯突く人材は不要である。そういう人材には去ってもらうという排除の論理内閣府の人事でまかり通っているのではないかという疑惑である。なるほど、批判分子を排除すれば、御しやすい組織にはなるかもしれないが、その一方で誤った方向に進み始めた場合、修正が難しくなる。たとえば、国民全員にマスクを配布するといったバカげた政策を止められなくなるし、全国一斉に学校を休校措置にするような暴挙がまかり通ってしまう。

 

 少し考えれば、現在のコロナ禍で対応しているようにクラスターの発生源を押さえることで、集団感染を防ぐといった考えが出てくるだろうし、マスクを配るよりは生活費の一部となるような給付金の早期配布といった政策に入っていけたのではないか。要は様々な問題解決策を提言できる人材を身近に配置することで、自分自身の政策の幅も広がるはずである。国民意識からは乖離した人材や、ある特定の集団や企業の利益しか考えられない人材を集めていては、国民全体の利益を生むような政策など出てこないであろう。

 

 なによりもイエスマンばかりでは、柔軟な政策など生まれはしないし、組織は硬直化していくだけである。その結果として権力者は「裸の王様」化してしまう。視野を大きく広げ、一つの意見が出てくれば、その反対意見にも耳を傾ける。それだけで政策の幅は広がるだろうし、より優れた政治が行えるであろう。自画自賛しかできない独裁的な権力者よりも、謙虚に公正公平をモットーに実践を重ねれば、後世に名を遺す偉大な政治家の誕生にもつながるのではなかろうか。

 

 丁寧な説明を行うと言いつつ、結局納得のいく説明がなければ、政治は信頼をどんどん失うだけである、選挙で勝利して過半数議席を維持しているからと、強行採決で法案を成立させていくと、ますます投票率は下がり、国民は政治に期待しなくなる。その現状を、もう一度よく考えてみてもらいたい。