ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

参議院選挙、48.8%の衝撃

 投票率は戦後最低ではなかったが、なんと投票時間を2時間延長し、期日前投票も格段にやりやすくなったにもかかわらず48.8%と50%を割り込んでしまった。安部さんは政権が国民の信任を受け、さらには改憲論議も加速することの承諾を受けたかのような勝利宣言を行ったが、ちょっと待ってほしい。投票率がこれでは、たとえ60%の支持率を得たとしても実質30%に満たない数字にしかならない。残念ながら、国民は政治に対して全くと言っていいほど信頼できないという意思表示であるかもしれない。

 もちろん選挙であるから棄権はありだし、それも投票行動と考えられるから、安部さんの考えるように消極的現状容認としてもおかしくない。それでも半数を割り込む棄権率は、民主主義の危機と考えてもよい。いや、政治への不信感はこれ以上高まれば、まさに瀕死の状況である。これではまともな納税意識など育つべくもなく、富裕者や大企業は短期的には万々歳であろう。しかし長期的にみると経済格差が広がれば広がるほど消費は落ち込んでいくであろう。AIやロボットの活用が進んでいけば、逆に雇用は落ち込むばかりである。雇用の減少は緩やかかもしれないが、人件費コストが大部分を占める企業利益がどんどん減少すれば賃金の上昇など遠のくばかりである。そうすれば消費はますます縮小の一途をたどらざるを得ない。

 歴史を顧みても、経済成長が大きかった時代は、中間階級が支えたのである。その中間階級が没落し、一握りの富裕層と大多数の貧困層が作る社会は停滞しかなかったはずである。現在の激動期が過ぎてしまうと、まさにそんな時代の再来を予感せざるを得ない。自分たちだけの欲望で突き進む結果はそんな未来ではないだろうか。