ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

米国大統領選挙は世相を反映する。

トランプ大統領と争うには何が必要か。エスタブリッシュメントでないことは、確実かもしれない。必ずしも政治に精通しなくても良いようである。いやこれまでの政治手法を踏襲する時代ではなくなっているようである。サンダース上院議員アイオワについでニューハンプシャー州でも上位に入ったのは、経済格差がこれ以上拡大することを米国民も許容しきれなくなっていることが背景にありそうである。

 米国の高等教育の学費は高く、教育ローン返済のために若者は疲弊しているといっても過言ではない。それを免除するというサンダース氏の公約は、若者の支持を集めている。トランプ氏に極左と非難されようが、この戦略が今回の民主党候補者選びでサンダース氏を優位に立たせていることは間違いないところである。穏健派のブダジェッジ氏が頭角を現してきたのは、若さであろう。30歳代の候補者は、それだけで魅力的である。最有力候補と目された元副大統領バイデン氏が、失速してしまったのは、年齢面で見劣りするのと、あまりに代わり映えしない点ではなかろうか。つまりこれはと思える魅力が見当たらない点につきそうである。

 

 米国経済が低調であれば、現役大統領のトランプ氏優位は動かないであろう。民主党がつけこむとすれば、より多くの人に利益をもたらす公約をぶち上げるか、若さを正面に出すしかないかもしれない。そういう意味ではニューハンプシャー州の予備選で3位に入ったエイミー・クロプシャー氏は、59歳という年齢でその条件がクリアーできるのだが、先を走るブダジェッジ氏やサンダース氏に比べ、彼らを上回る主張がないのが残念である。選挙資金が豊富にあるブルームバーグ氏の参戦はこれからであるが、若者の支持者が多いサンダース氏、そして若さで勝負するブダジェッジ氏を軸に民主党候補は絞られていくだろうが、サンダース氏の主張を引き継げる若手候補者が出てくれば、トランプ大統領を倒せるのではなかろうか。

 

 公約を実現するためには、富裕層への増税や健康保険制度改革など、さまざまな変化が予測される。だからこそ選挙の行方は、本当に発言力を有する国民をいかに選挙に駆り出せるかで決まってくる。そして将来の希望を信じて国民を揺り動かせるかであろう。日本国民も、選挙の持つ意味をもう少し真剣に考察すべき時に来ているのではなかろうか。いつまでも金で選挙結果が動くわけではない。健全な選挙が、健全な国民を育てていくのであることは間違いない。