ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

東京オリンピックは成功だった?

 東京オリンピックが終わって2週間、24日からはパラリンピックが開催されるという時期である。オリンピック終了後に今回のオリンピックについての意見を聞いたところ、開催されて良かったという賛成意見が大半だったという。何とも不可思議な調査結果である。スポーツがもたらす感動は確かにあるだろうが、コロナ禍のもと無理やり開催する必要はないという反対論が、開会式前の国民の多くにあったことは記憶に新しい。それが、オリンピック開催中のTV中継の影響もあったのかもしれないが、日本中にコロナ感染者が増えた元凶は、やはりオリンピックの強行開催が主たる要因ではないか?

 

 これは、オリンピックに参加した各国や地域の選手やスタッフが感染者を増やしたということを意味しているわけではない。海外からの訪問者の感染は、たぶん想定内の数字に収まっているであろう。しかるに、緊急事態宣言下で行われた東京オリンピックは、日本国民の緊張感を削いだことは間違いない。自粛すべき外出が減るわけではないし、そういう緊張感は薄れてしまったような行動が全国各地で見られた。度重なる自粛要請は、それが報われないだけにどんどん希薄なものになってしまった。納得のいく説明があれば、それなりに自制も働くのであろうが、「安心・安全」にオリンピックを開催し無事終了させたいという、見え透いた政府の意図しか見えないのでは、誰しも遵守しようという気持ちなどは続くわけがない。

 

 しかも、最悪の事態を想定しながら、対策を立てるべき行政が、ひたすらワクチン頼みの楽観論をベースにした無責任な対応しかできない状況に陥っている。そしてパラリンピックの開会式を直前に控える時期になった。コロナ感染者の数は、毎日過去最高を記録するほど勢いが止まらなくなっている。そして、学校の休校要請まで話題に上り始めた。体育祭や文化祭、修学旅行などさまざまな学校行事の延期が取りざたされている。

 

 国際的信義を踏みにじらないようにするために、昨年約束した1年延期のオリンピックやパラリンピックを強行開催する一方で、日本の子どもたちが学校生活の中で楽しい思い出作りとなる行事を中止したり延期を要請したりする。これが大人の勝手な論理ではないと、納得いく説明ができるのであろうか。それだけではない。毎年各地で開かれていたお祭りや行事が2年続きで自粛させられている。この実態をどのように説明するのであろうか。

 

 東京オリンピックでも、感動的なエピソードはいくらでもできたであろう。国際的な責任を日本はしっかり果たしたと強弁するかもしれない。しかし、少なくともこの2年間、小学校・中学校・高等学校で楽しみにしていた行事に参加できずに悔しい思いをした多くの学生や生徒がいたことを認識しておくべきである。また大学生もまともな対面授業をほとんど経験していないのではなかろうか。

 

 新型コロナのバンデミックは、天災であるかもしれない。しかるに行政の対応の不味さで不安定な境遇からなかなか抜け出せない状況を生んでいるのは、人災である。私は政権批判をしているわけではない。世界中で感染者が増加し続けているのである。きれいごとではなく、楽観論でもなく、可能な限り付帯的な対策とそれを実施するに至った納得のいく説明を聞きたいだけである。ワクチンに関しても3回打つ方向性が主流になってきたが、これではますます早期の終息は期待できないような印象を受けてしまうのだが・・・