来年度予算106兆円
コロナ対策という問題はあるかもしれないが、国債の発行額が40兆円を超すことに躊躇することはないのだろうか?そしてまた、予算を使い切らず残す算段はないのであろうか。社会保障費の増大やコロナ対策の予備費などはいたしかたないものの、国土強靭化費が二階幹事長と森山国対委員長が5年で15兆円規模の改革をぶち上げて、来年度2.3兆円を計上したという。これこそ、不要不急ではなかろうか。財政改革を念頭に置くならば、あらたな公共事業に回す予算はないはずである。
それでなくても、高速道路や国道を含めて、橋やトンネルなど改修や保全にかけるべき箇所が全国に山ほどあるはずである。それらに必要なコストも馬鹿にならない。新たな公共事業など、財政再建が軌道に乗るまで、手を付けないというのが妥当な考えではないだろうか。来年度末には国債残高は990兆円に達するといわれる。つまり国の借金だけで1000兆円の時代に入る。GDPの2倍以上の借金をかかえて、財政は健全であると胸を張れるのであろうか。
もちろん未曽有のコロナ禍で、諸外国も無制限の財政出動が行われているが、たとえばドイツでは7年ぶりに国債の発行を決めたが、同時に20年でその借金を返済する計画も提示している。財政政策の健全化を目指す政府は、明確に財政規律を守っているのである。日本も赤字国債の発行を禁止しているのだが、特例法で抜け道を作り、歯止めもなく赤字を垂れ流しているのが現状である。
日本政府は、もはや麻痺を仕掛けているといっても過言ではないだろう。赤字国債の4割を日本銀行が保有する異常事態に、その状況がもたらすリスクの大きさを指摘する者もなく、無軌道に走り続けることをやめれない。ひとたび国際的な信用を無くせば、経済危機が生じてもしかたがないところまで来ている。
政府も政府だが、マスコミも安倍元首相が答弁で118回事実と異なることを述べていると一面で報じたが、そもそも国政のトップが立法府で不誠実な虚偽を述べること自体が責められるべきなのではないか。そういった意味ではたとえ一度でも国民にうそを述べた段階で、政治家失格ではないか。政治家の質も、マスコミの質も、どんどん劣化している現実にあきれざるを得ない。