ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

新型コロナの感染はこれから本格化

新型コロナは、完全に終息することなく、またじわじわと日本国内を侵食し始めた。アメリカでは新規感染者が4万5千人となり、3日連続で過去最多を更新することになった。これを見る限り、人類はコロナウイルスを抑え込んだのではなかったことが証明された。経済の回復を目指すのか、感染者を減らすことに力を注ぐのか、これからしばらく悩ましい時間が続くことになる。

 

 経済指標を見ると、4月の前年同月比で百貨店売上高は72.8%減、外食売上高は39.6%減、国内8社の自動車生産台数は60.9%減、新規求人数22.9%減、輸出28.3%減、そして訪日外国人数にいたっては5月の前年同月比で99.9%減という惨憺たる数字がでている。インバウンドによる観光業界の活況は、韓国との関係悪化が大きな要因で昨年夏から減少していたが、新型コロナによって軒並み人の移動が制限されたことにより壊滅的なだげきとなってしまった。観光地の宿泊施設は、ほとんどが閑古鳥が鳴く始末であり、観光バスやタクシー会社ももろに不況風が吹き荒れている。

 

 札幌の宿泊施設は、新型コロナ感染拡大前は70室ある部屋の稼働率は平均で70%を超えていたが、3月以降宿泊と宴会のキャンセルが相次ぎ、売り上げは前年比10%を割り込んでしまった。金融機関から2月に借りた2千万円は運転資金で3月途中でなくなり、月2千万円を超す赤字が続き。4月に追加で借りた5千万円の融資もすぐにそこをついた。5月に申請した政府の中小企業向け持続化給付金はたったの200万円。焼け石に水でしかない。そんなこんなで廃業を決めたそうだ。中堅企業のやる気のある経営者たちが、行政に見殺しにされたかのような形で次々と廃業に追い込まれる。

 

 派遣会社は、自分たちの重荷になりそうな派遣社員の雇い止めを次々に行っている。それこそ、政府の休業手当を活用すれば、まだまだ救われる人々は大勢いる状況の中で契約打ち切りが横行している。しかも、飲食店の中には毎月の賃貸料ですら調達が難しいところが多く、今後廃業や倒産に追い込まれるところはますます膨れ上がりそうである。

 

 何度も繰り返すようだが、新型コロナの感染は収まってはいないようである。ウイルス自体は生命を奪う危険性は低いものの、付随してやってくる経済的な危機に対処しきれない状況が増えつつあり、結果的に大きなダメージを被る人々は増えることが予測される。行政も頑張っているのだろうが、支えきれなければ絵に描いた餅でしかない。スピーディーな行動が望まれるばかりである。