ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

後世に名を遺す?

 東京オリンピックの延期が決まったとたんに、新型コロナの感染拡大が猛威を振るい始めた。今日は志村けんが新型コロナで要請の判定を受け、肺炎で死去したニュースも伝わった。日本国内では感染者数は抑え込まれていたのかもしれない。そんなありえないことまで想像してしまう。新年度を前に、新型コロナ感染は終息に向かい、落ち着いていくであろうという見通しは見事に外れてしまった。

 

 一向に減らない感染者数に、地方自治体の長の中にはこの前成立した緊急事態宣言を出すべきだという意見まで飛び出した。こうなると、少し事態が異なってくる。基本的人権を、緊急事態であるがゆえに部分的にではあるが制限しようというものである。いったん発してしまうと、それは半永久的に機能し続けることになりかねない。新型コロナの感染拡大問題は、人類の将来をどのような形で導いていくのであろうか。全体主義型の監視強化の進んだ世界なのか、それとも一人一人の人権をしっかり保護しようという世界なのか。そしてまた、利己的な自国第一主義国家の乱立および対立激化か、あるいは利他的な国際協調の高まりであり世界の結束なのか。その分水嶺を迎えようとしているようである。

 

 残念ながら、欧米では感染のピークを迎えつつあり、日本も同様であろう。そしてアフリカでも急速に感染者が増えていることをニュースが伝え始めた。いまこそ人類は叡智を結集して、感染拡大の早期ストップを目指すことが大切である。これは健康面の問題でもあるし、経済的なダメージを少しでも抑制するためにも大切である。

 

 世界各国が矢継ぎ早に経済対策(休業補償)を出す中で、日本の動きは遅い。ANAやトヨタなど大手は政府が打ち出した社員の休業補償額を念頭に置いて、企業活動の修正が進んでいるが、中小企業はそれどころではない。またフリーランスで働く人が増えているにもかかわらず、あまりにもお粗末な救済策しか出ていない。明後日から新年度を迎える時が迫っているが、いつ終息するかまだまだ闇の中で不安を抱えている国民にとっては、一刻も早い具体的な救いの手が出てくることを祈るばかりである。

 

 安倍首相にすれば、後世に名を遺すチャンスである。名宰相として日本国民の健康と生活を守り抜いたと賞賛されるのか。あるいは証拠さえ握られなければ、自分たちの汚点は隠し通せると、白を切りとおして、限りなく黒に近い灰色の疑惑を残しながら歴代最長の在任期間だけが目立つ首相として終わるのか、彼にとっても分水嶺になりそうである。名宰相になるためには、国民の大多数の幸福を念頭にして一心不乱に職務を全うする姿勢が必要だと思うのだが・・・