ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

香港に再び火はともるのか?

 香港国家安全維持法が成立施行され、香港市民が一国二制度の下謳歌してきた自由はどんどんなくなって、締め付けが進んでいるようである。中国は諸外国との軋轢を覚悟のうえで、香港から自由を取り上げた。GNP第2位にのしあがり、経済的にも国際社会で重きを置かれる存在となり、一挙手一投足が注目を浴び始めたからであろう。これはアメリカが国際社会の重要な役割から手を引き始めたのと、ほぼ轍を一つにしているのではないだろうか。

 

 おそるおそる自分たちの思いを少しずつ出しながら、周囲の反応を確かめては自信を深めているのかもしれない。今回の香港国家安全維持法は、域外適用も可能とされており、香港市民だけでなくどこの国籍であろうが処罰可能となるような条文まである。諸外国は大国中国に対し、面と向かって非難をすることができなくなっている。自由がゆえに経済が栄え、アジアの金融の拠点として発展してきた香港であるが、今後は火の消えた街に化してしまうのだろうか。それとも香港をも飲み込む形で中国本土が経済の活性化を担うのか。

 

 言論の自由をはじめ、表現の自由がほとんど認められない社会で、経済活動は自由であると主張されても、そこに人が集まるとは思えない。人はそれぞれの思いを内に秘め、それを表現する場を探しているのである。食べていければそれで良し、と考える人は少ないであろう。「香港独立」のプラカードを書いても拘束される、大勢の人が手をつないで抗議を示す「人間の鎖」や授業のボイコットも処罰の対象となる。

 

 中国は、この国家安全法に対し、諸外国の抗議を内政干渉として一顧だにしなかった。それだけ他国に対する発言力を有したと習近平主席以下の中国首脳は自信を深めているのであろうか。だとすれば、どこかで歯止めをかけることが、将来の人類にとって必要となるのではなかろうか。