ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

経済対策は本気でやってほしい

世界恐慌は、第二次世界大戦の引き金となった。ニューディール政策でいち早く経済を立て直した米国、植民地とのブロック経済でなんとか経済を維持した英国やフランスなどと、なかなか立ち直れなかったドイツやイタリア、日本がその利害関係から衝突した。その世界恐慌は、1929年10月29日のブラックチューズデイで株価が大暴落したのをきっかけに始まり、1932年までにGDPは推定15%減少した。世界恐慌は豊かな国と貧しい国の両方の経済に壊滅的な打撃を与え、あらゆる国で個人所得、税収、利益、物価などが著しく下落した。国際貿易は50%も減少したといわれている。米国の失業率は23%に達したが、ほかの国では33%にまで増えた。重工業に依存した都市部が大きな影響を受けたが、農産物も65%の下落となり苦しんだ。

 

 IMFの最近の推計では、今回の新型コロナ感染騒動で、世界恐慌を上回る経済の下落がありうると予測している。となれば、今回日本が行うべき財政出動は、近年行われてきた景気振興のための補正予算を作るのとは、まったく状況が異なるのではなかろうか。日本経済が壊滅的な打撃をこうむらないように下支えするという意味合いで、国民の賃金補償、中小企業の事業継続に必要な資金の供給など大胆な対策が講じられなければならない。それも国民の申請を待って、などといわずに、たとえバラマキといわれようが、できるだけの給付を迅速に行われなければならない。

 

 すでに国民の私権を制限する緊急事態宣言を発令し、さまざまな企業に休業を要請したこともあり、休業補償をも含めて考えざるを得ないかもしれない。個の給付金の帳尻は、来年春の確定申告を行ってもらうことで決着をつければよい。必要な人にはお金が回るし、必要でなかった人は納税することで返還してもらえばよい。財政赤字は百も承知だが、現在のような申請を受けたうえで給付といった悠長なことをしていれば、状況はますます悪化するだけである。欧米並みの迅速な対処を願うばかりである。

 

 国民の不安を、できるだけ解消していく政策を立案、実施するのが行政のなすべきことである。国民の命を守るために外出自粛を呼びかけ、休業を要請することで医療崩壊を防ぐのは行政の役割である。来月の家賃も払えない、明日食べる生活費にも事欠く状況で、雇い止めにあうといった国民の経済的なひっ迫感を解消するのも行政の役割である。

 

 国民の可処分所得を増やして行けば、経済はおのずから回る。国民一人一人の懐が豊かになれば、日本経済の未来は明るくなるのである。ただし、しばらくは新型コロナウイルスとの戦いがある。それをできるだけ早期に終息させることが、経済的ダメージを小さくすることにつながる。そのためには利己的な考えを捨てて、利他的な配慮を重視したい。自分だけよければではなく、社会全体が平和で安全な、街中に笑顔が拡がる明日を迎えることが大切ではなかろうか。

 

 世界は新型コロナ感染の終息に向けて国際協力を推し進めることが肝心である。そして、自国第一主義ではなく、国際協調の流れをしっかり確立していくことが今こそ求められているのではなかろうか。