ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

コロナ、しばらく終焉はお預けか

 労働力調査によると、9月末時点での完全失業者は210万人、完全失業率は3%となっている。ただしこれ以外に休業者数が197万人いる。休業者は4月時点で597万人、5月時点で423万人という数字だったからずいぶんと少なくなったが、この休業者数はいつ失業者に置き換わっても不思議ではないのである。新型コロナの感染者数がここにきて、ものすごく増えてきており、その最大要因が会食によるものと決めつけられている状況である。これでは経営基盤がぜい弱な飲食サービス業の分野は、ますますつぶれるところが増えるだろう。

 

 日本国内で働く就業者数は前年同月比で79万人減の6689万人、そのうち雇用者数は前年同月比56万人減の5961万人、そこから353万人の役職者を引いた5608万人の雇用労働者がいる。その内訳は、正規雇用者3529万人(前年同月比48万人増)と非正規雇用者2079万人(同123万人減)となっている。正規雇用者は増加しているが、非正規雇用者はどんどん雇い止めの状況にある。これをみても、正規雇用者は雇用がなんとか守られているのに対し、非正規雇用者は利益を上げる人件費の調整弁として、きわめて不安定な状況にあることがわかる。

 

 もう一つの統計値がある。国税庁の「民間給与実態統計調査」2019年度版である。これによると、給与所得者の平均給与は436万円(40256ドル、世界25位)であった。1985年が世界3位で40819ドル⇒2000年が世界2位で38536ドル⇒2010年世界18位で44674ドル⇒2018年が26位で39304ドルとなっている。スイスやスウェーデンデンマークノルウェーフィンランドの北欧やオーストリア、オーストラリアなどが所得倍増を成し遂げているのに、日本はアベノミクス云々で景気は好調のように政府はのたまわっていたが、なんのことはない、ほとんど所得が増えていなかった。ドイツをはじめイギリスやフランス、米国、カナダも平均所得は1.5倍以上になっている。イタリアでさえそれに近い伸びを示している。その一方で日本はほとんど所得が増えなかった。それどころか社会保険料は年々負担が大きくなっていた。

 

 そしてこの統計調査では正規雇用者の平均所得503万円(男性561万円、女性389万円)に対し、非正規雇用者の平均所得175万円(男性226万円、女性152万円)という衝撃的な数字もでている。 

 そしてさらに衝撃的なのは、低所得者層の人数がやたら多いことである。最多は300万~400万円で891万人、ついで200万~300万円で783万人、ついで400万~500万円で765万人となっている。ちなみに平均所得をおしあげている1000万円を超える所得層は256万人、そのうち2000万円を超えているのは27万5000人に過ぎない。つまり上がっていない平均所得を下回る層がいかに多いかを如実に物語っている。

 

 これらの数字をあらためて眺めると、いかに日本国民が貧困化しているかよくわかる。繰り返しになるかもしれないが、少子高齢化非正規社員が大幅に生み出されたために、結婚に踏み切れない若者が大量に生み出されたが故である。さらに拍車をかけたのが外国人労働者の解禁である。生産性が上がらないのではなく、賃金が上昇しないことによる可処分所得の減少が消費を低下させ、デフレを生み出していると考えても過言ではない。人件費コストを圧縮すればするほど、日本経済は沈下の一途をたどることになる。心ある経済学者は、将来の日本国民が本当に豊かさを享受できるようになるにはどうすればよいのか、適切な政策を献策して政治に警鐘を鳴らすべきではないだろうか。