ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

70歳のハローワーク

 身体が元気だから働くのか、食べるために仕方なしに働くのか。意味合いは大きく変わる。今朝TVで先月の台風被害から一か月経ったことを伝えていたが、なかなか片付かないなかで、浸水被害の後片付けをしながら、いろんな人がインタビューを受けていた。農業をやっている人も、商売をしていた人も、企業経営に携わっていた人も、今回の被害額がおおむね明らかになってきたから、先行きをどうするかという問題になってきている受け答えが印象に残った。

 東北大震災で大きな被害をこうむり、ようやく立ち直ってその時の借金を返し終わった人の言葉はずしりと胸に応えた。「何度、やりなおさなければならないのだろうか。」また新たな借金を背負って再出発するかどうか、まだ決断はついていない。年齢が判断材料として加味されるような年になっている。回答している人は、65歳前後で微妙に分岐する。60歳前半であれば、あと10年頑張れるかなという気持ちは残るのであろう。もう一度チャレンジしてみようという気持ちが勝つようである。しかし70歳を超えている人は、ほとんどが廃業を口にする。もう少し身体は持つだろうが、借金を背負って、それを返済していくだけの自信が持てないのだと推測される。

 そう健康面では、まだやれるという気持ちはあるのだが、今から新たな一歩から始めるのは大変であり、そこには不安しかないのである。その分岐点は、基礎年金が受給できる65歳が大きなラインとなっているようである。できうるならば、食べるために働くことからは引退したい。体が動く間に、やりたかったことにチャレンジしたい。やりたいことがなければ、社会に役立つことをやっていきたい。いまや70歳を過ぎた人もハローワークに仕事を探しに来る。食べるためには仕方がない、身体が動く間は世間様のお役に立ちたい、それぞれ自分に言い聞かせる言葉は違うだろうが、これが21世紀人類の進歩の結果であるとは思いたくない。