本人以上に本人のことを知る

　台風一過というわけではないが、よく晴れ渡り猛暑日となった今日。昨年の大阪を襲った台風が、残した爪痕を想起するかのような台風15号であった。千葉県の市原市ではゴルフ練習場のネットが倒れ、民家を押しつぶす場面がTVで何度も放映された。1人女性が重体だそうだが、一刻も早い回復を祈るばかりである。昨年の台風で被害を受けた農家は、再建に5000万円費やしてなんとか元の状態にしたというところもあれば、いまだに回復のめどが立たないといったところもある。いまだに屋根にブルーシートが場所もあるそうだ。

　天災のなせる業に、まだまだ人間は及ばない。想定外の出来事に関しては、十分対応できないことも多いであろう。気持ちのコントロール、モチベーションを引き上げる術などをしっかり持ち合わせていなければ、残念ながらなかなか回復することはできないだろう。

　ところで、便利になればなるほど、不便になっていくものも多いことに最近気づかされる。あちらこちらでアンケートに記入する。ポイント欲しさにポイントカードをいっぱい持って（大概の店で持っておられますかと聞かれる）、少し得した気分になるのはわかるが、いわゆるビッグデーター。どこそこでの買い物データー、DVDの借り出し、その積み重ねは日常生活を丸裸にするだけのデーターを提供していることにみんな気付いているのであろうか。ささやかな積み重ねは本人すら意識していない嗜好を暴いてくれる。興味本位で見ればそこから導き出される自分自身の姿は、本人にどのように映るのであろうか。

　時折個人情報の流出記事が問題になるが、今や私たちは意識している以上に、その問題に直面している。パソコンの検索一つとってもそうである。そこに出てくる広告のほとんどは自分が一度見に行ったサイトに関連している。必要に迫られて検索しようが、興味本位に検索しようが、どんどん広告は入れ替わるが、大体が同じような商品やサービスに落ち着いてくる。それが私自身の実情なのであろう。AIのほうが的確に私自身を映し出す。そう思える今日この頃である。