ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

場当たり主義の無責任!

 「全国すべての小学校、中学校、高校、特別支援学校について、来週3月2日から春休みまで臨時休業を要請します」という、政府肝いりの感染拡大防止策が実施されることになった。行政機関や民間企業に対しても、通学する子どもを持つ保護者が休みを取りやすくなる環境を整えるなどの配慮を依頼、要請への対応によって「生ずる様々な課題に対しては、政府として責任をもって対応する」と安倍首相は断言した。

 

 後でとってつけたように、あくまで要請であり、最終的には各自治体の判断であり、各校の判断である。うさんくさい、なんとも様々な取りようができる通達となった。私が住む市内の学校(幼稚園・保育園は除く)も今日の日付で来週3月2日から24日までの休校の通達が出た。

 

 前日にあった各種スポーツやコンサートなどの延期・中止要請はまだしも納得がいく。感染拡大が止まらない現状を考えるならやむを得ない処置なのかもしれないと思えた。新型コロナウイルスについては、感染経路が特定できないままに拡大が進み、免疫力の低下している人が感染すると重症化する恐れがあるため、その致死率の低さは話題にならず、必要以上に恐怖をあおるようなニュースが日々流されている。そのため必要以上に大げさな対策が次から次へと出てきてしまうのも仕方がないことなのかもしれない。

 

 けれども、突然出てきた全国一斉の休校要請にはどれほどの効用が期待できるのか。冷静に考えれば、除外された幼稚園や保育園のほうがよほど濃厚接触する機会は高い。病院等を職場にする労働者は自宅待機でできる仕事をしていない人のほうが多いし、低学年の保護者は子どもを家において職場に出かけていかざるを得ず、しかも職場や交通経路で感染する可能性も低くない。普通に考えるならば、抵抗力が一番あるのが中学生、高校生ではないか。もちろん、感染者が見つかれば学級閉鎖や休校という措置もあり得るだろうが、ここまでくれば、その対処療法が最善なのではないか。

 

 本当に感染拡大を防ごうとするならば、「全国一律」の学校閉鎖などでは収まらないであろう。3月は卒業シーズンでもある。規模の縮小はあっても、式典もできない、自粛しなさいである。もっと状況がひっ迫しているのは公立高校の入試であり、国公立の後期入試である。受験生にとっては、健康に留意しながら、実施時期が変更されるという不安を抱えながら受験勉強を続けなければならない。

 

 そして最大の問題は、子どもを家に残してでも働きにいかざるを得ない保護者たちである。正規職員よりは時間給で働くパートさんのほうが多いであろう。休めば生活費が稼げない。これらの人々にも政府は責任をもって対応してくれるのであろうか。アドバルーンのようにあがった突然の「全国一斉休校」、年度末の評価をつける試験もできない。やり残すことになる学習をどこで補填するのか。年度替わりの時期だからこそ、学校現場はやることも多い。

 

 様々なところで影響を受ける人々は多い。今回の休校措置でどれほど国民に負担をかけるかは予測すらできない。とりあえず学校を休みにしましょう。そうすれば子供らだけでも感染を防げるのでは・・・。どこからでた意見かは知らないが、思いつきのような政策が功を奏せば良いのだが、とひたすら祈るばかりである。