ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

アメリカの株価が3万ドルを超える???

 この10年、アメリカのニューヨーク・ダウは上昇を続け、とうとう3万ドルの大台を目前にした。足元では、アマゾンやグーグル、フェイスブック、アップル、マイクロソフトなどの拠点がある地域以外は、米国本土では活気がある都市は見受けられないというギャップを抱えながら、ひたすら活況を呈するように、マスコミ報道は行われている。

 

 そんな中、NHKは今朝の放送で、今の株高は「buy back bubble」、つまり自社株買いバブルではないかと伝えた。確かに実態の経済は緩やかに回復はしているのだが、問題なのは新たな投資にお金が使われていないことなのである。昨年の利下げで、しばらく低金利の環境が続くと予測されており、少し借入金が増えても自社株買いで、株主へのリターンを挙げておくほうが良いと考える企業が多いのである。その証拠に昨年9月末までの1年間に主要500社が自社株買いに費やした総額は、7700憶ドル、日本円で84兆円にもなるといわれている。

 

 自社株を買うことで、1株当たりの利益が上昇し、配当に回せる分が増えることにもなる。日本の企業も平成年間でため込んできた内部留保を使い、自社株買いを続けて、企業価値を上げている。しかし、新規投資が進まなければ、中期的あるいは長期的な視野で経営資産を増やすことは難しくなる。また、既存の株主(資産家)の懐は潤うかもしれないが、新たな株主を作り出すことは難しくなる。自社株買いは、経済格差の拡大をどんどん推し進めている元凶であるともいえる。

 

 そして、このまま経済格差が広がってゆけば、消費需要を担う中流層がどんどんいなくなる。実体経済で活況づくことで、賃金労働があがり、消費者が潤い、それが経済をさらに活気づけるのである。そういった経済のメカニズムを破壊するのが、今の株高を作り出している要因となっている。杞憂に終われば良いのであるが・・・