ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

また一つ齢を重ねます

時の経つのは早いもの、経験値を積み重ねる間もなく、年齢だけが増していく。世間では高齢者として通用する年になってしまった。子どものころはあのおじいさんは怖いけれど、物知りで、だからこわごわ近づいてはいろんなことを教えてもらうことができた。近寄りがたいが、わからないことは何でも教えてくれた。自分がそのような年齢になったものの、聞かれても答えられないことのほうが多いことに愕然としてしまう。さまざまな機械があり、そのすべてを操作できるか、ましてや修理できるかといえば、残念ながらほとんど駄目。スマホやパソコンの操作では若者のほうが上手であるし瞬足にやってのける。そう考えると、いまや年寄りの権威とはなんだろうかと思ってしまう。

 

 個人的なことばかりではない。政治の世界でも、外交関係でもなかなか大人の対応ができる人が減っている。昨日毎日新聞青木理氏が述べていた。韓国旅行中の日本人女性が韓国人男性に暴行を加えられているシーンがTVなどで大きく取り上げられたことに対する苦言である。日韓関係が微妙な時に、それをますます炎上させるような場面を何度も放映することがはたしてマスコミに与えられた使命なのだろうかということである。

 火に油を注ぐような行動が目に余ると、私も考える。朝鮮半島では国内情勢が悪くなると反日運動が盛り上がるし、それに対し日本でも嫌韓本がもてはやされる。東アジアの安全、経済の安定を考慮するなら、全体主義の中国よりは韓国のほうがよほど信頼がおけると思うのだが、安倍政権自体が韓国の態度にいら立ちを覚え、嫌韓本で持論を語る人もでてくるほど、自重する意思が見られないのがつらいところである。

 政治権力を握り、国民をより豊かに安全に誘導しなければならない立場の政権担当者として、あまりに視野狭窄に陥った行動しかとれないのは稚拙でしかない。政権担当者は、粘り強くこじれた関係を元に戻すことが最優先されるべきだろうし、ことさら問題を複雑化させて解決が遠のくような言動は慎むべきではないのだろうか。嫌韓に熱した国民に対し、冷静に対処することを求めるのが政権の正しい選択だろう。

 北方領土問題にしてもしかり、北朝鮮拉致問題でもしかり、米国との貿易交渉でもしかり、国民の利益を無視して妥協するだけでは能がないが、それでも落としどころを見つけて、粘り強く交渉していかなければ解決はない。イエスかノーの二者択一で物事は進んでいくわけではない。うすべったい解決ではなく国際社会でしっかりと生きていくための解決策を提案し実現していくことが求められるのではなかろうか。