ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

会心の勝利

 ワールドカップ開幕まで2か月を切り、ラグビー日本代表は大会に向けて最後の総仕上げにかかっている。これからパンパシフィック大会として、フィジーを皮切りにトンガ、アメリカと戦い、9月に南アフリカに挑む。その初戦として、世界ランク9位のフィジー戦を迎えたのである(ちなみに日本は11位)。

 立ち上がりから積極的な攻めを見せフィジーからペナルティを奪い、まずはPGを決めて先制(3-0)。6分には相手ゴール前に迫り司令塔SO田村のキックに対応してWTG福岡がキャッチしてトライ(8-0)。しかし、12分フィジーはターンオーバーから得意のカウンター攻撃でパスをつないでトライ、ゴールも決まって追随(8-7)。しかし、日本代表もディフェンス力は上がっており、フィジーが前に出られない。18分日本は相手ゴール前のラックから、SH茂野がWTB松島に絶妙のパスをして中央にトライ、G成功で15-7、さらに25分ラインアウトからパスをつないでCTBラファエロがトライ、Gも決まり22-7、31分にはラインアウトからモールでFL姫野がトライして29-7と大きくリードした。前半終了間際にフィジーに押し込まれてラインアウト→モールでトライを奪われた(29-14)ものの、フィジアンマジックと呼ばれる縦横無尽に走り回るフィジー選手をほとんど走らせずに前半を終えた。

 後半に入ると、お互い攻め込むが暑さもあってなかなか決定的チャンスが生まれない。日本代表は、そういう意味では前半に比べて押し込まれていたが、その分執拗なディフェンスをしてフィジーの攻撃を抑え込んだ感がある。後半は松島が相手ミスでこぼれたボールをキックで運びトライ(34-14)、フィジーラインアウト→モールからトライ、G成功(34-21)。一進一退の攻防が続いたが、結局日本が34-21で会心の勝利を飾ることができた

 ウルフパックとサンウルブズという2チームを強化対象としていた日本であったが、南半球の強豪チーム(ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンと日本で15チーム)が集まって行われているスーパーラグビーに所属するサンウルブズは、負傷者続出という不運もあって今年は2勝しかできずに最下位でリーグ戦を終えた。一方アルゼンチン代表とほぼ重なるジャガーズサンウルブズと同様4年前にスーパーラグビーに参戦して今年は準優勝という快挙を成し遂げた。そういう意味では、日本代表にはここまで暗雲しか立ち込めていなかった。幸いウルフパックは、難敵を相手にせず、順調に強化を進めていたものの、当たりの強さではスーパーラグビーに到底及ばない。またチームとしての成熟(連係プレーの習熟などなど)という点では、ある程度メンバーを固定しなければならないのに、それが十分できぬままに来ている状況に対し大きな不安があった。

 アイルランド(世界ランク3位)、スコットランド(同7位)のいずれかを撃破して念願の決勝トーナメント(ベスト8)進出を悲願とする日本の夢を実現する試金石であったフィジー戦に勝利して、完全とはいかないまでも、大きな不安は払しょくされた。着実に勝利の味を覚え、ワールドカップの舞台で活躍してくれることを祈るばかりである。