ぐーたら親父の言いたい放題

日々の様々なニュースを取り上げて、独自の視点でコメントします。これからの社会の変化を予測し、どのように対処すべきか提案できればと考えています。

香港市民は自由を選択した

 昨日行われた香港区議選は、確定得票率71.2%で、返還後の選挙で最高の得票率となった。民主派は、計452議席のうち80%近い390議席を獲得することが確実になり、これまで7割近い議席を占めていた親中派が惨敗した。6月に香港政府への抗議デモが大規模化してから、初の全土的な選挙で、香港政府と後ろ盾になっている中国指導部に反発する民意が明確に示される結果となった。

 

 デモがどんどん過激化する中で、民主派と親中派のいずれに支持が集まるのかが焦点になったが、軍配は民主派に上がった。デモの過激化は香港政庁の圧政に対する反発が招いたものであり、今後人民軍の投入も考慮されるのだが、そういった権力の介入はますます香港市民の反発を招く可能性が出てきた。中国指導部は、アメリカ議会の法案可決に対して内政干渉という抗議を示していたが、香港市民の民意は中国政府の介入を拒否した格好である。

 

 区議会の権限は香港政庁への政策提言に限られているが、地域住民への影響力はあり、民主派が大勝した今回の選挙結果は政府への抗議デモにも追い風になるだけでなく、政府トップの行政長官を決める選挙で投票権を持つ選挙委員1200人のうち117人は区議の互選で選ばれるため、この117人の多くを民主派が占めることになりそうである。そのため中国政府の直接介入がどこまで行われるか、それが香港の今後の動向を決めそうである。